手紙を書きたい相手はいますか?老人ホームにいる大切な人に手紙を書こう!

コロナ禍でどこへ行くにも制限される昨今、老人ホームでも感染予防のために面会を制限する施設が増えてきました。会えないけど、施設に入った大切な人に自分のことを伝えたい…そんな時、手紙を送るというのはいかがでしょうか?気軽に送れるSNSが普及した今だからこそ、手紙というツールで気持ちを伝えることで、より一層人と人との繋がりが深まるはずです。

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会いたいけどなかなか会いに行けない…そんな時は手紙を送ろう!

家族や親戚などの身内や、昔よくしてもらった恩師など、自分に近しい人が、突然老人ホームに入ってしまった…。そんな時、あなたはどうしますか?近場の施設だったら定期的に会いに行けますが、遠方だとなかなか難しい…という方もいらっしゃると思います。

近年ですと、コロナウイルスが猛威を奮い、外出すること自体が困難になっています。そのため、感染予防のために面会禁止にしている施設も少なくありません。

会えない状況が続く中で、「元気でいるだろうか…寂しくしていないだろうか…」と考え出すと、どうしても心苦しくなってしまいます。

そんな方のために提案したいのが「老人ホームに手紙を送る」ことです。手紙を送ることで、自分の近況や気持ちなどを伝えることができます。

ここでは手紙を書くことのメリットや、手紙を書く際に気をつけたいポイントなどをご紹介します。

コロナ禍で息苦しい今こそ、手紙というツールで自分の気持ちを大切な人へ伝えましょう。

老人ホームへ手紙を出すことのメリット

手紙というものは、書くまでに時間が掛かるものです。便箋に直接書く方もいれば、下書きをしてその上でまた推敲する…という慎重派の方もいらっしゃいます。人によっては手紙を書くだけで、半日を要するという方もいるかもしれません。

時間が掛かるから手紙は書きたくない…しかし、手紙にはたくさんの思いがこもっています。書き手の近況や気持ちだけでなく、文字ひとつひとつの書き方で、相手への思いが伝わります。だからこそ、古来から大切な場面では手書きの手紙が好ましいとされてきました。

今はスマートフォンなどの携帯が普及し、文字を打つだけであっという間に気持ちを伝えることができます。しかし、その分事務的かつ機械的で、冷たい印象を与えてしまいがちです。書き文字には暖かみがあります。十人十色のその人の個性を表しているのです。

また、お年を召された方は機械を触ることに慣れていない場合があります。携帯でメッセージを送っても、メッセージの開き方が分からない…という方はたくさんいらっしゃいます。一方、手紙は封を開けて、中の便箋を取り出すだけです。

読みやすく、また保管しやすいのも手紙の利点です。何度も読み返して、送ってくれた相手のことを想う…それは手紙にしか出せない風情でもあります。

老人ホームへ手紙を送りたい…出し方とポイント

「手紙を書くメリットは分かったけど、じゃあどこに出せばいいんだろう?」と、思う方もいらっしゃいますよね。老人ホームへの手紙の出し方は至ってシンプルです。封筒に出したい相手がいる施設の住所を施設名、そして相手の名前を書くだけです。

たとえば、宛名の部分を「〇〇(施設名)内〇〇(手紙を出したい相手の名前)様」と書くのが一般的です。こうすることで、施設で働くヘルパーや職員が相手に直接届けてくれます。ここで気をつけたいのは、「内」の部分を「御中」にしないことです。

「御中」ですと、施設宛ての手紙になってしまうので、施設「内」にいる「〇〇様」という意味で宛名を書きます。また、ご家族の方が手紙を書く場合は、直接施設の窓口へ持っていくという方法もあります。大抵の施設には洋服などの日用品を差し入れするための窓口や受付がありますので、荷物と一緒に手紙を差し入れすることもできます。

しかし、コロナ禍で家族が差し入れすることも禁止にしている施設もあるので、その点は注意が必要です。事前に施設と連絡を取り、今は差し入れしてもいいのかということを確認してから、手紙も一緒に持っていきましょう。

手紙を書く時に注意すべき点とは?

手紙を書く時に注意したいのは「文面の内容」です。手紙は自分の気持ちがストレートに伝わる分、内容が一方的になってしまうというデメリットがあります。普段顔を合わせて話していたら気にならない単語でも、文面で見たら嫌な気持ちになる…という言葉もありますよね。

そういう単語や文章をできるだけ使わない、というのも大事です。相手は施設で暮らしているといっても、ほとんど知らない人間に囲まれて生活しているので、その分ストレスや孤独感を感じています。そんな中で届く手紙は特別な存在です。

読む側が嬉しくなったり楽しくなったりするような内容を書くように心がけましょう。しかし、無理をして元気なように振る舞うのは、あまり推奨できません。書いている側が苦しくなってしまい、手紙が書けなくなることもあるからです。

書く側も読む側も穏やかな気分になれるような内容だと、お互いに負担もなく、充実したやりとりができます。たとえば、嫌なことがあってついそんな内容を書いてしまっても、その後に少しでも楽しかったことや嬉しかったことを添えると、相手に心配をかけすぎることが少なくなります。

相手に恩返しがしたい…手紙は「恩返し」を手伝うツール

コロナ禍でなかなか人に会えず、画面越しや文字でのやりとりが多くなっている昨今。その分不満や不安など、憂鬱な気分になりやすくなっています。それは老人ホームなどの施設にいる利用者の方も同じです。人の気持ちというものは目に見えない分、気づきにくいものでもあります。

ヘルパーや職員の方たちが優しく接してくれても、心のどこかでは寂しさを感じています。そのため、「家に帰りたい」と訴える利用者の方も少なくありません。

昔、優しくしてくれたあの人に恩返しがしたい…そう思った時には既にできることは限られているかもしれません。その限られた中で、どれだけ相手に喜んでもらえるかを考えるのが一番の恩返しではないでしょうか。手紙はその恩返しを手伝うツールです。

変に気張らずに、優しく感謝の気持ちを文面で伝えましょう。

なかなか人と会えない今…だからこそ手紙で気持ちを伝えよう!

コロナ禍で面会自体が厳しくなっている今、あなたの手紙が相手の支えになります。文字を書くのが苦手、文章を考えるのが苦手…という方もいると思います。しかし、手紙というものは作文のように、型にはまったものではありません。あなたが何を見て、何を思ったのかを、自由に書いてください。その想いは、きっと相手の心に真っすぐに届くはずです。人の暖かみを感じることができる手紙、まずは便箋1枚からはじめてみませんか?